街は、生き物の様に形を変える。都会のスピードなどは益々速度を上げて変化し、幾らか残るランドマークを頼る他ない。
拙い記憶でランチを摂りに、美味い店を探し歩くも、ことごとく店はなくなっている。
空腹は体を地面に押し付ける様に重くのし掛かり、元来、道草好きの性格も相まって、なかなか前に進めない。
ようやくたどり着いた1件のカレー屋の前に立ち、中を覗き込む。
カレーの国から来たレディが数人、食事を摂っているのが目に入る。
瞬間、「イケる!この店はイケるぞ」
そう直感したのには訳があった。
近年、カレーを食べる習慣を最もヒップな行いだと脳内が器官に働きかける。
サー・ジョージがそうさせるのだ。
エレクトリック・シタールに祖父の法要。
インディアな生活こそ開かれたサイケデリアの祖だ。
しかも日本人なら家庭カレーだという所属宗教に属する事なく、現地のかたに調理して頂いたものを好む。
しかし、1つだけ気にしなければならない。辛さの設定。
つまりは、辛さの出玉を何処まで制限するかだ。
話のネタには詰まらんが、レベル2の「普通」をチョイスした、が此れがドイヒーな話。
「普通」の設定を間違えた。思わず「なぞなぞ」かっ!と怒りたくなった。
トンチもスパイスもすっかり効かした現地人男性に、味はイケるが辛さがドイヒーだと言うと
さっきの女性たちは皆「5」を食べてた、僕は普段「3」までです、と小声でハニカまれた。
とにかく陽気なネパール人だった、ネパールかよっ